このレビューはネタバレを含みます
昨年末に公開予定だったが、何らかの理由で延期され、ついに2023年4月に公開された本作。ロッテントマトでは批評家スコアが50点近くと低いものの、観客スコアは90点を超える期待作である。
冒頭のシーンでは、マリオたちが現実世界から別の世界に移動していることに驚かされる。しかも、マリオブラザーズは売れない配管工という寂しい兄弟である。そして、緑の不思議な土管からキノコ王国へ転生するマリオの姿が、まさになろう作品の定番である。
ルイージは転生時に別の場所に飛ばされ、ルイージマンションを思わせるシーンの後、拉致される。一方、ピーチも転生組のようだが、なぜか姫にまで出世している。この世界は謎が多い。
ピーチとのステージ特訓は、少年漫画に欠かせない修行シーンである。嫌いなキノコを食べてパワーアップし、死にゲーを繰り返すというややメタな笑いの演出が魅力的だ。
ドンキーコングとの対決後のピーチのセリフは、この映画、そしてマリオというゲームのテーマを表している。「あなたは諦めなかったから勝てたのよ」という言葉は綺麗事かもしれないが、マリオの世界では真実である。
その後、マリカーのマシンセレクトやレインボーロードでのショートカットなど、マリオに詳しくない私でもニヤリとできるネタが多く、常にワクワク感を維持していた。
このまま終わらないでほしいという気持ちにさせてくれる本任天堂のサービス精神が十二分に伝わる力作だった。