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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのげのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

紛うことなく「スーパーマリオブラザーズ」の映画になっていた。
言わずと知れたビデオゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の映画であること、スーパーなマリオと兄弟の物語であることに忠実で、ブレない哲学のある筋の通った作品だった。

なにせめちゃくちゃ楽しい。
童心のワクワク感に加えて大きいお友達へのノスタルジー満載。
あの頃友達の家で聴いた数々の名BGMがオーケストラアレンジで流れるだけで感涙ものだ。

ゲームファンへのサービスだけでなく、1本の物語としての筋書きも巧み。
僕らが知ってるマリオが、実はブルックリンで大家族と暮らしているブルーワーカー。ひょっとしてイタリア系の移民なのかもしれないし、それならばニューヨークで突然独立すると言い出すマリオを家族が諌めるのも、何となく社会的な立ち位置が察せてしまう。
元雇い主にバカにされ、依頼主にも疎まれる弱者兄弟の大逆転劇として観ても爽快で面白いのではないか。
親しみのあるキャラクターを違った角度から描いていて、奥行が豊かになる。

違った角度から描く、は物理的にもそう。
横スクロールのアクションゲームをFPS視点で観たり、マグナムキラーの主観視点なんて想像すらしたことがなかった。
レディ・プレイヤー1やフリー・ガイとも異なる、原作の圧倒的な知名度を生かした視点の転換(映像化による翻訳とも言える)がきれいにハマっていた。
最高の内輪ウケ映画と評されるのも納得ではあるが、内輪を熱狂させつつビギナーも飽きさせない完成度の高いエンタメ作品だ。

あと宮野真守と三宅健太の仕事素晴らしすぎ。この吹替版をつくってたなら日本公開が遅れたのも納得(本当の理由はどうか知らないけど)
最高のMamma Mia!
キャラソンのクオリティに信頼のおける三宅さんにPeach!をあてがった采配よ。

この興収を糧にヨッシーアイランド編が制作されると期待してます🥚
げ