心の欠損の発露としての身体の欠損って、監督自らの手による『鉄拳』の語り直しじゃん!?ってテンション上がったんですが、内向きに拗らせ捻くれまくってて思ったんと違いました。
とにかくずっと雨降ってて、ずっと雨降ってるからずっとフードかぶってて、ずっと自分に自分映して自分探すみたいな不毛なことしてるからずっと同じとこぐるぐる廻ってて、それでもトヨエツの虚実曖昧な存在感と、きったねぇ研究室&自宅での生活感の薄い営みへの、低体温の興味がじわじわと持続していく。
あの時間と思考を極力割かずに栄養摂取するためのカレーとか、食への興味薄すぎて研究資材の死骸と食材の距離感狂ってるのとか何かイヤ。
生を感じられないの、そーいうとこですよっていうね。
どこに連れてかれるのか全くわからない前半と比べ、対となる弟(安藤政信)のキャラがだんだん安直になっていく後半はやや拍子抜けだったけど、リハビリみのある今作を経て、また絶妙にヒリヒリするやつ撮ってくれるの待ってます。