近本光司

弟とアンドロイドと僕の近本光司のレビュー・感想・評価

弟とアンドロイドと僕(2020年製作の映画)
3.0
「きたないトヨエツ」と「きれいなトヨエツ」がおなじ画面に居座ったとき、この監督はきっとこれが撮りたかったにちがいないと快哉を叫びそうになった。自己の分身としてのアンドロイドをつくる作業に日夜励んでいる孤高の天才学者。この映画で語られる哲学観はなんだか手垢に塗れているし、過度に映画的であろうとしすぎている画面の数々には辟易とさせられたが、トヨエツのヴァリアントが召喚された時点で一定の勝利が約束されているとおもった。鎌倉の切通しを雨のなかチャリでくぐり抜ける下りもよい。