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三度目の、正直のれのレビュー・感想・評価

三度目の、正直(2021年製作の映画)
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好きだからと言って、見つけたからと言って、感謝しているからと言って、その相手は自分の“所有物”ではないのだよと一貫して言われ続けてたな。
みんながみんなそれぞれ自分の生活を送っているだけなのに、本当に自分勝手で、欲や自由のままに他者を傷つけてしまう様はたしかに〈ハッピーアワー〉を彷彿とさせる気持ち悪さがあった。静かに“何か”が狂っているのだけれど、その“何か”をうまく掴めないもどかしさが漂う。ストーリーは別に続きものではないけれど、作品の居心地の悪さは、濱口竜介からしっかり引き継がれている。とはいえ、やはり〈ハッピーアワー〉を超えていくほどの作品力があるとは言い切れず、濱口竜介がやってのけた力の凄みを鑑みるしかないのが悔しい。
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