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母の聖戦/市民のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)
3.5
犯罪組織による誘拐事件が横行するメキシコ。
実話をもとに、娘を取り戻すべく奔走する母親の姿を描いた社会派ドラマ。
監督はルーマニア出身でベルギーに拠点をおくテオドラ・アナ・ミハイ(初長編劇映画)。
カンヌ国際映画祭ある視点部門・勇気賞受賞。
原題:La Civil(2021、135分)

メキシコ北部の町で夫グスタボと別かれて暮らすシエロは、10代の娘ラウラを犯罪組織に誘拐される。
犯人の要求に従って身代金と夫の車を渡すが、娘は返してもらえない。
警察にも相手にされないシエロは、自力で娘を取り戻すことを決意。犯罪組織の監視、追跡を行い、軍をも巻き込んで娘の捜索に乗り出す…。

~登場人物~
・母シエロ(アルセリア・ラミレス
・父グスタボ(アルバロ・ゲレロ)
・娘ラウラ(デニッセ・アスピルクエタ
・娘の恋人?リサンドロ(マヌエル・ビジェガス)
・父の恋人ロシ(バネサ・ブルシアガロシ)
・父の友だちドン・キケ(エリヒオ・メレンデス)キケ
・軍のパトロール部隊を率いるラマルケ中尉(ホルヘ・A・ヒメネス)
・その部下ロブレス(アジェレン・ムソ)
・イネス司令官(アレッサンドラ・ゴーニ)
・食料品店の息子を誘拐した組織のリーダー、赤毛のイネスと仲間のメチェ
・実行犯プーマ(ダニエル・ガルシアプーマ)
・プーマの母親(メルセデス・エルナンデス)

メキシコの治安の悪さを改めて感じる。
(2023年におけるメキシコの誘拐被害届出件数は456件(2022年は497件、2021年は625件)だが、2022年の国立統計地理情報院(INEGI)の発表によると、犯人からの報復への恐れ等により被害申告は、全体の10.9%であったとされている)。
本作品のモデルとなったミリアム・ロドリゲスは、誘拐された娘を取り返すため数年間にわたって実行犯を追い続けて犯行グループの10人を逮捕させたが、2017年に犯罪組織に銃で殺害された、とのこと。
映画のラスト・シーン…母シエロの視線の先にあるもの(人)は観客の判断に委ねられるが、こうあってほしいという母の願いを込めたと考える。
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