スタンリー・キューブリック監督が「フルメタル・ジャケット」以来12年ぶりに発表した話題作で、キューブリックの遺作となったミステリアスな心理劇(試写会5日後に逝去)。
原作はアルトゥル・シュニッツラーの「夢小説」(原題:Tarumnovelle)で、テーマはずばり「セックス(ファック)」。
撮影はラリー・スミス。
音楽はジョスリン・プーク。
アメリカでの公開は性的シーンによってR指定で公開された。
日本での公開版はR-18指定(成人映画扱い)。
今回の鑑賞は米国公開バージョンR-15指定。
原題: Eyes Wide Shut(1999)
結婚して9年目。7歳になる娘ヘレナもいる医師ビルと妻のアリスは、愛し合い満ち足りた日々を過ごしているはずだった。
ところが、ある日、アリスから思わぬ性的欲望を告白されたビルは衝撃を受け、妻が男に抱かれる妄想に囚われながら、夜の街をさすらう。
いつしか郊外の秘密の館で開かれている禁断の仮面パーティーに足を踏み入れ、そこで妖しい背徳の世界を目撃する…。
~登場人物~
・夫ビル(トム・クルーズ)
・妻アリス(ニコール・キッドマン)
・夫の知人ヴィクター・ジーグラー(シドニー・ポラック)
・ドラッグの過剰摂取で意識不明に陥ったマンディ(マリー・リチャードソン)
・ビルの大学時代の知人ニック(トッド・フィールド):フリーのピアニスト。
・ビルの患者で死亡したネイサンソンの娘マリオン(マリー・リチャードソン)
・娼婦ドミノ(ヴィネッサ・ショウ)
・ドミノと部屋をシェアしているサリー(フェイ・マスターソン)
・ホテルの受付係(アラン・カミング):お姉系。
・貸衣裳屋ミリチ(ラデ・シェルベッジア)
・その娘(リーリー・ソビエスキー):早熟。
嫉妬と不安の強迫観念に囚われた主人公のエロティックな迷宮体験が観る者の官能を刺激する。
ピアノの旋律など音楽の使い方も絶妙。
ニコール・キッドマンが美しい肢体を披露し、モノクロ映像による濃厚なセックス・シーンも艶かしい。
夫婦共演したトム・クルーズとニコール・キッドマンはこの映画の後離婚したが、まさに映画の後日談のようだ。