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白蛇2:青蛇劫起のくりふのレビュー・感想・評価

白蛇2:青蛇劫起(2021年製作の映画)
2.5
【蛇でなし】

中国のCGスタジオ追光動画による、劇場公開もされた『白蛇:縁起』の続編。

今回はNetflix配信のみらしい。意外、と思ったが、見たらばそれも納得。これ、日本じゃ劇場公開しても難しいのではと。

CGアニメは大して見ている方じゃないが、あの『ファイナルファンタジー』の、懐かしい苦味を思い出してしまった。

足し算でいろんなモノぶっこんで来るパワーは凄い。進撃の中華。

本国では当たったみたいね。自国製CGアニメてところに燃えたろうし、知られた伝説、白蛇伝ベースであることも浸透し易かったのだろうか。

私は、今回は飽きた。よく動くし、眼は惰性でちょび楽しめたものの。

前作も、あまり物語としては感心しなかったので忘れており、主要人物の関係ショートカットしガンガン進むので、今回のヒロイン青がなぜ、こういう形で姉に拘るのかがまず、入ってこない。

で、妖怪は人間に害を成すもの、てのが一般的らしい世界観が全く説明されず、冒頭、ナンデ人間?の坊主が美人姉妹を封印しようとするかもよくわからず、こういう前提なの!と言い切り始まってしまう。

で、ヒロインはその後、妖怪らしきコトちっともやらないし、そもそも蛇の妖怪だったはずなのに、蛇、ほとんど出ません。出てもスタンドみたいな扱い。妖術封印されたとか言うが、蛇は術じゃなく自分自身でしょうに。看板に偽りアリですよ。

で、後はどっかで見た的バトルゲーム映像みたいのが延々、続きます。終わらぬ障害物競争。

が、障害物はゲーム内のローカルルール縛りで、普遍性ないから他人事にしか思えない。自分でコントローラー操作できれば、まだ面白かったかも。

修羅界を実態として見せるアイデアは面白いのに、そこはまだやるか、の世紀末救世主伝説的ディストピア。でもケンシロウもラオウも出て来ないから、ただちょこまかと、せわしないばかりだった。

今回は動きが早い分、“不気味の谷”は気にならなかったが、女性陣には惹かれなかった。これは好みもあろうけど、なんか顔が、グレイタイプで微妙に不気味。

前作でいい味出していた女狐ならぬ狐女、宝青坊の主も、今回は仕事人に徹して、怪しさは醸していなかった。

展開がこうだから、でもあるでしょうが、女性搾取とも取れる、扇情的場面がないのは進歩かも。前作の反応で学習したのか。おお、SDGs!

続きもこうなら、私はもう、このシリーズは見ません。

が、追光動画にはまだ、期待したいところ。次は、脚本力で唸らせてほしいです。

<2021.12.9記>
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