そんなに期待してなかったけど良い意味でズシンと心に来る作品だった。
演技初挑戦とは思えないくらいのモデルの嵐莉菜さんの役どころや立ち振る舞いに惹きつけられる。彼女の心の内に抱える悲痛な思いやどうにもならない問題を抱える姿に胸が痛くなる。後半かはあまりにも理不尽過ぎて見ていてさらに辛くなってくる。
この作品自体はフィクションだけど鑑賞後にネットで調べてみると実際に日本に在留しているクルド人でも難民申請が下りないことがあるらしい。こういう記事を見てさらに胸がキュッと締め付けられる。
ごく普通の当たり前の生活が出来なくなって就職も進学も許されない、何故こんなことが起きるのか。何故難民申請が下りないのか。可哀想って思っても、何とかならないのかって思ったとこでどうにもならないし、誰かが手を差し伸べても完全にどうにかなるわけでもない。客観的に見ている以上、これを現実として受けとめるしかないのかって思うことしか出来ない。それでも仕方のないこと、だけでは済んでほしくない。
重たい余韻がずーっと残るような、そんな終わり方だったけど見る人に真っ直ぐメッセージを突きつけるかのような、自分たちの住んでるこの日本にはこんな問題も存在しているんだよ、と改めて考えさせられるかのような作品でした。
