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マイスモールランドのFrengersのレビュー・感想・評価

マイスモールランド(2022年製作の映画)
3.2
主人公の出自が国境を引かれたことにより失われてしまったことと現代において県境、ガラス、壁により引き裂かれてしまうことを繋げ、歴史を立ち上がらせる。反対に過去の記憶の象徴でもあった石ころが、徐々に別の意味を持ちはじめる後半に興奮する。その物語の中心は長回しの会話劇で、対話を繰り返すことがなにより重要であると説いているようだ。
ただ自転車を漕ぐ、ラーメンを啜る、ボーイフレンドと過ごすという何気ない瞬間でありながら主人公の存在を祝福するようなシーンで鳴る、ROTH BART BARONの音楽は痺れた。結婚式やスプレー・アートの華やかな色使いから青で統一された衣装や夕暮れ時の色合いは、まさに彼らの『極彩色の祝祭』から『無限のHAKU』と見事に符号している。本当に必然だったんだね。
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