キモサベ

マイスモールランドのキモサベのレビュー・感想・評価

マイスモールランド(2022年製作の映画)
3.3
冒頭の微笑ましい結婚式・・・からの、主人公?(ジャケツでそう思いました)がポツンとたたずむ帰りのバスの車内
何だ、“日本”なんだぁ

さて、劇中の登場人物たちが発する“何気ない”ひとこと、ひとことが、これだけ重く感じる映画も珍しいのではないでしょうか?
・主人公サッちゃんの担任の先生との進路相談のシーン「努力は必ず報われる」
・小学生の弟が自分のこと「宇宙人だ」だというくだり・・・友達にクルド人だと言えなかった
・難民申請の役場の職員が淡々と説明する「働くことは禁止です」・・・じゃぁ、どうしろと?
・バイト先のコンビニで客のおばあちゃんから「いつかはお国に帰るんでしょ?」・・・悪気はないのだが、サッちゃんにはきついひとこと
・お父さんがサッちゃんのボーイフレンドにクルドを説明、「クルドという国はないんだ」
・面会の場面でお父さんが「帰らせるのは日本でしょ」
・パパ活のカラオケ店で相手から「苦労したらいいことあるから」
などなど、書ききれませんのでやめておきましょう

監督さんはこれが長編デビューの川和田恵真、調べると是枝裕和監督の製作スタッフを務められている方だそうです
どおりで、『先生譲り』・・・テーマの着想、着眼点がさすがだと思いました

主役のサッちゃん(チョーラク・サーリャ)を務めたのは、これもお初の嵐莉菜
何でもモデルさんだとかですが、それにしてもあっぱれの演技でした

最後に感想です
何か観終わって、日本って外から見るとどんな国なのだろう?って・・・今までそんなこと考えもしないで生きていた自分です

それと、これも世間知らずの自分をさらけるようで、はずかしいのですが、そもそもサッちゃんのお父さんはどういった経緯で、“こんな日本”という国を選んだのだろう?
素朴な疑問です
おっと、これは自分への“宿題”としましょう
キモサベ

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