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マイスモールランドのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

マイスモールランド(2022年製作の映画)
4.0

難民🎬

ストーリーは政治的な弾圧から逃れ、日本で暮らすクルド人家族が父親の在留資格停止をきっかけに自身のアイデンティティに葛藤する姿を描いた作品でした。作品は現代社会の不条理を軸に、居場所を求める家族の願いが描かれていました。今作は第72回ベルリン国際映画祭でアムネスティ国際映画賞・特別表彰を受賞しました。世界で1億人以上が故郷を追われていますが、現状日本の難民認定率は0.2%と言われ世界と比較し圧倒的に低いです。難民申請をする理由は戦争・クーデター・災害など多岐にわたりますが、個人的にはどんなバックグラウンドを持っていたとしても慎重になるべきだと考えます。難民受け入れについて、人道的・経済的メリットがある一方で安全保障的観点で懸念点が多くあります。昨今の埼玉県でのクルド人の暴動やヨーロッパでは難民を広く受け入れた結果起こった自国民の疲弊・反発・排斥・分断などがデメリットとして挙げられます。助けを求める人に手を差し伸べることは当たり前のことかもしれませんが、受け入れる側のキャパシティも考えなければいけません。また日本は島国として発展した歴史があり、他を受け入れないという潜在的な要素が染み付いている為、難民認定という制度がなかなか理解・受け入れられないと思いました。また作品は在留資格停止をきっかけに生活を奪われる家族の姿だけでなく、主人公サーシャの父親に対する葛藤・故郷を知らない重荷・思春期の悩みなど17歳の等身大の悩みが描かれていた点が印象的でした。生まれた国が異なるだけで環境・人生が大きく違うこと、日本に生まれて良かったと心から思いました。日本で難民認定が進む事は皆無に近いですが、支援をするという意味では寄付等の手段もあります。アプローチは違えどできる事をコツコツとやっていきたいと思いました。
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