AkihiroTakeishi

赫くなれば其れのAkihiroTakeishiのネタバレレビュー・内容・結末

赫くなれば其れ(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

圧倒されました。ここ数年グルーヴという言葉だけが唯一人のいる空間で信頼できるものとしていますが、この映画には紛れもなくグルーヴがあります。

役者を信じ委ねている人だけができる、
完璧なフレーミング。空間を一枚画で捉えることができている。その上で心地の良いカットポイント。こんなに心地よい映画はいつぶりでしょうか。

「街の上で」より深淵に潜って、
「ラブ・ゴー・ゴー」より生々しい。

なのにどこかカラッとしているのが本作の魅力に感じました。

みんなが覚えてる もうそこに居ない人。
その人の喪失を受けて、自分を取り巻く東京の環境から逃避する人、居なくなった。だけを観測することしかできず、分かりきれないことをわかっているのに分かろうともがく人、その人を待つ人。

数珠繋ぎ的に人が人に作用している。
まさにグルーヴがそこにありました。
人は孤独より誰かと繋がることに喜びを得て、
今度はそこに悩み苦しむ。
どこまで行っても分かりきれない存在を、
それでもなんとかわかろうとして…
だから、全てが嫌になったとき
全部切ってしまう。
その方法は、逃避であったり、死であったり。
真剣に誰かと向き合う人ほどかかる重圧は重く
優しい人ほど自分にかかえてしまう。

根から切った花がいつか枯れて朽ちても、
その種でまた昨日とは違う新しい花を見れるように育んでいくのが人と関わることなのかもしれないと思いました。


ほんの少し個人的に感じたのは
言葉が少し多く、言語が空気感のノイズになり
AkihiroTakeishi

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