AkihiroTakeishi

オッペンハイマーのAkihiroTakeishiのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

終わって見て
「おー!」という感じ。

ノーランなので
「身に余る世界規模の選択(責任)を強いられた者」系映画がと思ったら

「求められてないはずなのに、男性性の誇示および理想的な結果と評価を求めて視界が奪われていく奴らの映画だった」

ほんともう神輿になりたいとか
二度と言いたくなくなる映画でした。

だからと言って
家の環境で飯食いながらとかみてたら
「ほへー。この映画お金かかってるね」
以上。

って感じになりかねないのもあって…

あと戦争状態でみんか
倫理観が麻痺ってるってのが
言葉とかポジショニングでしか出てなくて
「あ、そういう人なのね」
だけで扱われてるのはいかがなものかと…

もっと評価されたいとか
偉業を成し得たいとか
「俺を軽んじやがって!」とか
そういうの全てが本当に愚かな結果に至ってしまうから極力その闘争からは逃げたいなと思いました。

とはいえただ、自己実現以外に彼が渇望していたのは
対等な目線からのフラットな評価。
それを唯一くれる存在として、フローレンス・ピューの役があるなと。
(なのでここで彼女の役を「女性の不可解な行動」などと素人童貞丸出しな感想を言われると殺意が湧くので黙っていてほしい。オッピーは自分にとって心地よい存在を繋ぎ止め、精神的拘束をしていたのだから…突然の自死によってパニクるのは本人以外は『でしょーね!』なシーンだと思ってたんだけどな。まぁ、かつてノーランファンを自称する方が『「TENET」に女性ヒロインが居ない』※プロット的な意味でなく、男性キャストと並んでもかなり高身長のエリザベス・デビッキをいじる発言。 とかしちゃう人たちなので「あーはいはい。」って感じです)

あれ、でも意外と
他者貢献そのものは良いことのはずなのに
自己実現をするために動機を他人軸に
した途端感情の矛盾が生じて、
行動と結果以外の苦しみが発生する。

って割とノーラン映画に通底してる
ドラマかも知れない。

※あらゆる戦争行為は
馬鹿げているし絶対に肯定されるものではないと尊敬するアキ・カウリスマキも言ってし、もちろん私も一才を認めない前提で書いています。
AkihiroTakeishi

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