AMC The Regency 20 IMAX
Theater 8
初日にアメリカのIMAXシアターで鑑賞
英語の理解が追いつかなかった箇所も多く、映画としての完成度は部分的にしか判断できないけど、おそらく確かなのは、これが「原子爆弾」についての映画というよりは「オッペンハイマー」の半生にフォーカスしていること。それでいてセンシティブな題材に対する作り手のスタンスは明確に示されていたし、この規模のハリウッド映画で表明されたものとして意味があると思う。
この映画は、というよりクリストファー・ノーラン監督は原爆の残虐性と戦略核としてそれを使用する非人道性、はっきりとアメリカの罪をこの映画では認めたと思う。原爆描写や被爆者の描写は極めて部分的だったり省略していたりと『はだしのゲン』を読んで育った日本人からしたらヌルいと感じるところがあるのも事実。
戦争に被害者意識を持ちすぎるのはいかがなものかと思うけど、日本人であれば被爆国としての意識が先行して、この作品の映画として優れた部分、IMAXフィルムカメラで撮影されたシーンの質感、本気で恐ろしいトリニティ実験シーンの度を超えた緊張感、全俳優の名演、よりも原爆という題材の扱い方に納得できたかが評価軸の前面に出てしまうのも無理はないと思う。でも、日本人がそこに意見せずして誰がするんだとも思うので、当時の日本の加害者性も考慮した上で発言すべきだと思う。