ノーランは今これを作って何をしたかったんだろう？撮影は57日で済んだというが、そこに至るまでの推敲にはどれくらい時間がかかってるのかしら。そんなに多くないんじゃないのかしら、そんなふうに思ってしまう内容であった。
TENETぶりのノーランだが、彼はとにかく世界をぶち壊す脅威から人類を守る❗️みたいなのが好きなのかな 映像と音楽、リズムはまさにノーラン節が炸裂していて魅力的ではあったが、歴史映画とするには歪曲された、アメリカにとってのマイナス面が隠されたままであった、というのが被爆国日本人からの視点。オッペンハイマー博士の葛藤に対して目線を向けているのだからそりゃそうだけど なんだかラストは彼が栄誉や眼の光を取り戻すようなそんな描き方で 結局ヒーロー扱いか…と思っちゃった
日本に原爆を落とさなくたってこっちは負けてたし 、ソビエト関連でも「ちょうどいい場所」に挙げられたのが日本、広島長崎というのがなんとも居た堪れない。やっぱり実際に実行に移した人たちは狭い部屋で綺麗なスーツや軍服を着て指示するだけだったんだなだと思うとあの時に焼け落ちていった人たち、あのあと何十年も苦しみを抱え続けている人たちのことが浮かんで「いい映画だった！」とはとてもじゃないが言えない
俳優陣は本当に良かった。
だけど私はノーランはファンタジーを作ってこその監督なのではないかと思うに至った。
