正しくオッペンハイマーの物語。
現代物理史が分かるとより没入できると思う。開始数秒でオッペンハイマーの視点になれる。大画面大音響で見れて良かったのはオッペンハイマーの苦悩や感情が直接脳に流れ込むような感覚を味わえること、原爆の実感があること。
各重要シーンの演出が群を抜いて良い。オッペンハイマーを賞賛する人々の顔が爛れていく所、彼らの足音が脳内で反芻される所、検事に「あなた」は？と詰められる所など。観ている側に訴えかける迫力が半端じゃない。息を呑む。
音楽も良い。常に泣きたいような、溺れているような気分になる。
原爆とオッペンハイマーを称えるでも罰を与えるでも無く、ただこういう事実がことを残す映画だった。
高校物理の原子の分野だけでも履修しておくと最初の講義のロマニッツと同じ反応ができて楽しかったのでおすすめ。
