面食らった。
文字通り世界のあり方を変えてしまった男オッペンハイマー。
彼の栄光と苦悩そして複雑で矛盾しまくってる感情が映像と音と演技で完璧に表現されてた。
全編通してほとんど会話だけで構成されているがマンハッタン計画の緊張感が異常なほど伝わってきて一切退屈せずに鑑賞できた。
そしてなによりすごいのはこんなに重くて恐ろしい題材なのにしっかりエンタメ作品でもあるということ。
トリニティ実験のときの実験成功への安堵とその威力を目の当たりにした恐怖。
原爆投下後、戦争終結に歓喜する大衆と自分が作り出したものの影響力に恐れを抱くオッペンハイマーの対比。
その全てをセリフ以外でもしっかり感じとれる。
ただの伝記ではなく映画作品としてものすごく完成されたものになっていた。
現時点で今年ベスト。
今年中にこれをこえるものが出るとも思えない。
