オッペンハイマーのすみすけのレビュー・感想・評価

クリストファー・ノーランは、空想を画にするだけでなく、歴史に生きた人間さえも、かくも圧倒的な重量感をもって描くことができるのか。

巨星が爆発の後にブラックホールとなっていくのを辿るようなオッピーの栄光と没落を、彼の光できた陰のごときストローズのそれと対比することで、映画としてのコントラストが最大限効果的になっている。

物理学界のオールスターを初めとした登場人物はその個性を余すところなく発揮していて目が離せない。