★プロジェクトリーダーは孤独（孤立）★
世界初の原子爆弾を作った男、オッペンハイマーの成功と戦後の赤狩りの追及。
過去と現在と視点が交差しても、ひとつのラインとして魅せるノーラン魔術にひっかかった。実録モノだが、意外と監督の旧作『メメント』的なネタばらしが素敵すぎる。
プロジェクトリーダーの孤独感も、よく分かる映画。リーダーは孤独感に苛まれ、情事に走るのも仕方ないと思う。でも｢一夜を過ごした理由は？｣とか尋ねられて、答える地獄…可愛そう。
ロバート・ダウニーJrが年相応のシブさで、この話の主導権を握ってそうな感じがして素敵すぎた。また各科学者（変人たち）の描き方も、この手の映画の完成形ではないかと思わせる。実際のマンハッタン計画も、全米一の変な人たちが集まっただろうし…。
米国で原子爆弾の是非を議論するのに、開発者の伝記を使用したノーラン監督はアタマいいなぁと思った。
