オッペンハイマーの瑚海みどりのレビュー・感想・評価

かなりの部分を登場人物たちの思惑、政治的やりとりがしめていたのだが、その序章があるからこそ、オッペンハイマーが原爆の父になるに至るまでの熱量と、その裏で甚大な被害を受けた被爆国である我々の祖先との対比が胸を押しつぶす。

アメリカ国民は自分たちの幸せが確保されたことに大いに喜ぶ。オッペンハイマーが被害者に思いを馳せたかどうかは、ノーランの演出だが、これが唯一の救いだったりする。

科学者はただ科学を成し遂げただけ。そう思えるかどうか。戦争を終わらせなければならなかった。