事前知識満載で観たが、C.ノーランらしい簡単には完全理解に至らない作品。何回か観直さなければならないだろうが、それに耐えうる映画だった。
公開が遅れた理由である原爆による無差別殺戮と被爆被害の描き方に対する日本国内の反応への懸念は同調する気持ちもあるが、この映画が描こうとしている主題とは別のものではないだろうか。
アメリカ公開時に『バーベンハイマー』などの低俗なツイートが日本国内で炎上したことも、本作に誤った印象付けがなされてしまった原因の一つでもある。
トリニティ実験が成功した時の関係者の歓喜は、科学や物作りに人生を捧げた人達の純粋な喜びに過ぎない。そして彼らの多くは核爆弾の開発に手を染めたことで苦悩することになる。
戦争や原爆投下の正当化を謳う映画では決してないことは確かだと思う。
