ぽん

オッペンハイマーのぽんのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

本作で気になったのは、ストローズの自意識過剰をなぜ物語に取り入れたのか、という点である。

ストローズがオッペンハイマーを追放させたかったのは、あくまでも水爆開発にオッペンハイマーが反対したからという史実に沿って、物語を展開させたら良いのにと個人的に思ったからだ。

上記を踏まえると、ストローズの自意識過剰は、あくまでオッピーとアインシュタインの会話を物語の焦点にするために、ノーラン監督がオリジナルで取り入れたのではと思った。

そうすることで、オッペンハイマーは計算式で世界を壊すことを分かっていながら、原爆開発を進めていたことが象徴されるからだ。

神の領域(プロメテウスとかの話)に踏み込んだ人間の行く末を、ノーランは伝えたかったのだろうと思った。

今回も相変わらず、映像が美しかった。
トリネティ実験のシーンは、不謹慎ながら「美しい」と思ってしまったほどだ。

京都を除外する話など、当時のアメリカが見た、考えた視点を忖度なくリアルに表現しているので、議論の余地がある作品だなと思った。
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