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オッペンハイマーのmiriamのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.1
「あかんこれ予習せな…」

この監督の作品、見始めてから毎回思い出す。(遅い)

wikiでも何でもいいので少しでもオッペンハイマー(できればアインシュタインも)を調べてから行くと◎

予備知識ほぼなしで行って、勉強意欲を掻き立てられて帰ってきました。

日本人だから正直複雑な心境で、原爆が完成した時のシーンはものすごく苦しくなった。
8月6日、この日広島で19歳の祖母は被爆しています。100まで生きるんだと先日歯抜け笑顔で喋ってくれました。

アメリカ人がよく言う「原爆があったから救えた命があった」という常套句、ふざけるなってずっと思ってた。
武器を持たない民間人20万人以上を犠牲にして何を救えたと言うのか。
原爆を落とされた国という烙印を押されて米国に降らなければならない先人たちの悔しさはいかほどか。
アメリカのやる事は当時も今も変わってない。世界平和をほざきながら邪魔者は遠慮なく潰していく。

でも、当然ながら国が低俗だからと言って、国民がみんな同じな訳じゃない。
人民のために犯した罪に対する罰を与え続けられるプロメテウスもいるわけで。
日本も被害が大きすぎた一方で、犯してはならない事沢山してきたのも知ってる。
祖母がしきりに言うのは「アメリカが憎い」ではなく「戦争は2度としちゃいけん」です。

この作品がアカデミー賞最多受賞という事実が、日本人として何よりも嬉しい。
常套句で言い訳する人が少なくなってきてる証だと思った。

歴史を知る事、色んな情報を得る事、それらをフラットに精査した上で自分の意見を持つ事。
結局それが1番大事。
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