shingo

オッペンハイマーのshingoのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8
今回はIMAXじゃなくても良いか、と思っている人はちょっと待った。
本作でノーランはIMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラを用いての最高解像度での撮影、また本作のために開発したという65ミリカメラ用モノクロフィルムを用いて史上初のIMAXモノクロ・アナログ撮影を試みているので、是非IMAX環境での鑑賞をお勧めする。
主にカラーはロバートの視点、モノクロはストローズの視点となっていて、そしてロスアラモスの広大な屋外のシーンなどではラージフォーマットを存分に活かした映像となっていて見応えがある。

今作は史実に基づく3時間の骨太な作品であることはわかっていたので、最後までついていけるか心配だった。しかし実際見始めるとグイグイ引き込まれて3時間はあっという間で短く感じた。そのあたりはやはりノーランの手腕によるものだと感じた。

ただ歴史的背景などは予習しておいた方が良い。自分も予習しておいたが、そうでなかったら半分も理解できていなかったかもしれない。

途中日本、広島、長崎の名前が出てくるあたりからは自然と身構えてしまった。
やはり日本人としてそうならざるを得ない。

トリニティ実験場でのシーン。
スクリーンの中の拍手喝采する登場人物たちと、スクリーンのこちら側の人間たちとの明らかな温度差、断然感を感じた。この瞬間「あぁ、やっぱりこの映像の中の世界はフィクションなんだ」と逆の意味で感じた。
特に愛国心があるわけではないが、涙が出た。

今回本作品を観たことで、本テーマはもとより、量子力学や政治的背景なども含めて色々と学びたくなった。しっかりと知識を身につけて是非もう一度観たい。


マット・デイモンの軍服姿、似合っていてカッコいーわ!!
shingo

shingo