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オッペンハイマーのogiharaのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.3
再度鑑賞予定ですが、初見での感想をメモ。
ノーラン十八番芸の、観賞者に極度の緊張感を強いる音響と編集の合わせ技は本作でも健在。主演のキリアンと助演のトニー・スタークはオスカーに相応しい怪演。IMAXで観ると評価が2割マシ。2023年度ベストはこれか、ヴィクトル・エリセかなと思った。
さて事前情報では、「時系列がごちゃごちゃ」「登場人物多すぎる」という理由から、大変難解な映画とのことだった。しかし本作は、『メメント』『TENET』のような映画的トリックとしての時系列いじりではないように思われ、〈オッペンハイマーの視点〉〈ストローズの視点(=公聴会,モノクロ)〉〈聴聞会〉のそれぞれのシーンを、該当する話題順に基づいて再編集しているようだった。そのため単線的な時間に沿って伝記を追うよりも、むしろ内容の理解しやすさに配慮した構成になっているのではないか。
2点目の登場人物の多すぎ問題は、ノンフィクション原作の性質上仕方がない。怒涛の会話劇とテンポをもって3時間の尺なのだから、登場人物については鑑賞者に、ある程度の事前知識が求められるのはやむを得ないのだ。
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