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オッペンハイマーのyahのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
 今年アカデミー賞7部門獲得した今作。公開初日にIMAXで鑑賞してきた。キリアン・マーフィーの無駄のない演技によって、オッペンハイマーという人物がより近くに感じることができた。ロバート・ダウニー・Jrも近年はアイアンマンでのヒーロー的な印象が強いが、今作のような好感を持てない役柄も自然で見入ってしまった。オッペンハイマーを生涯支えた妻役のエミリー・ブラントもオスカーこそ受賞とはならなかったが、強い女性としてすごく好感が持てる。

 オッペンハイマーの半生をモノクロシーンを使い時系列を変えながら展開し、オッペンハイマーという人物を包み隠さず映像化している。それが故に主人公であるが、あえて彼に共感を持てないように作品は作られているように感じる。科学者として原爆を作ったが、その必要性に疑問を感じる彼に対し、この映画を見る人それぞれに感じ方があると思う。

 尋問シーンで会話が交差するシーンは、息が詰まりそうになるほど、切迫し迫力があるものになっていた。また無音で原爆の炎が上がるシーンが印象的であり、美しいと感じてしまうほど。世界を崩壊させてしまう爆弾ではあるが、彼ら科学者の実験の成功を象徴している。
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