ひじい

オッペンハイマーのひじいのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
ノーラン先生の物理学講座3限目。

こりゃまたトンデモない映画 
結末が分かりきってる伝記映画にも発揮できるノーラン節。1回観ただけじゃ全然わからへん。

今回のわからへんはテネットとかインターステラーみたいなわからへんじゃなくて登場人物モリモリの時系列グチャグチャのわからなさ。
庵野さんばりに明朝体テロップ入れてほしい。

これもノーランのいう「考えるな感じろ」なんやろな。人物が喋りまくるだけやのに絵力と音響とルドウィグゴランソンの劇伴に圧倒されて白目剥いてたら終わってた。1回目はこれで良いんよ。
わからんけどなんかトンデモない世界に観客を引きずり込むパワーがノーランとIMAXにはある。唯一無二の映画体験。

ノーランのトンデモない映像と編集が”トリニティ計画“で爆発する。

1945年7月16日午前5時29分以前と以後の世界を決定的に変えてしまった瞬間。
これはもうね、ノーラン映画イチの恐怖シーンよ。オッペンハイマーが「心臓に悪い」いうてたんまんまよ。緊張感がえぐい。ゴランソンの音楽と登場人物たちの顔芸ともったいぶった編集がもうホラーなんよ。

ノーランって巷のホラー映画よりいやらしいジャンプスケア演出するよな。しかもそれをIMAXでやるからほんまにタチ悪い。

「インターステラー」のマン博士のハッチのシーンとかもうめちゃくちゃけつ浮かび上がったし、ダンケルクとかもはやずっとケツ浮いてた。
いつかホラー映画作りたいとかいうてるけどマジで怖いの作りやがりそうやからほんまにやめてほしい。

ほんで全然わからんけど、ラストシークエンスの美しさとカタルシスはもうお家芸。
ノーラン映画を愛する理由の一つなんよなこれ。どの映画もラストシークエンスの畳み込みと映像のかっこよさと音楽がもう神業なんよな。

どのジャンル作らせても観たいもん見せてくれてそれ以上に想像を超えてくるノーラン。
なんかドタバタコメディとかスプラッターホラーとかラブロマンスとか色んなジャンル作ってほしい。どれが失敗するか賭けたい。(どれも失敗しなさそう。)
ひじい

ひじい