Shoji

オッペンハイマーのShojiのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.6
アインシュタイン、ボーア、ハイゼンベルク、フェルミ、シラード、ファインマンと物理学の黄金期のヒーローが次々出てきて、元物理学徒にとってはアベンジャーズ状態だった。
そして、その黄金期が世界大戦の時期と一致したことが本当に残念だと思った。
しかし、それらの一致が単なる不運と言えるかというと、産業革命以後の科学技術の進歩が、物理学黄金期と世界大戦のどちらの成立条件にも含まれる気もするため、時期の一致はあるていど必然だったのかもしれないとも思った。

当時の物理学者は国を跨いで留学したり、お互いの研究について手紙を送り合ったり、集まって議論したりして、信じられないスピードで量子力学をはじめとする物理学を発展させていた。
その一方で、望む者も望まない者も各々の祖国の原水爆開発にまきこまれていった。
映画でもそれを象徴するように、オッペンハイマーと、のちにドイツ側の原爆開発に関わるハイゼンベルクとの交流が描かれている。ちなみに、ハイゼンベルクは量子力学において鬼重要な不確定性原理を提唱したおじさんです。

天才物理学者も人間であり、その時代の多くの人たちと同じように戦争に流れたり流されたりしていった。ただ、天才物理学者であるがために他の人とは違ってクソヤバい兵器を作ることになってしまった。どうすればそうならなかったかを考えてみたがわからない。

ジャック・クエイドが演じているファインマンがボンゴ叩いてるシーンが何度か出てくるけど、ファインマンは実際にボンゴ上手かったらしい。

あと、字幕監修が京大の橋本さんだった
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