栄光と悲劇
天才物理学者オッペンハイマー
「原爆の父」と称され、貶され、その人生の苦悩を描いた作品。
どんな感情で観ればわからなくなってしまう。それはきっと日本人だからという自分の立場あるからなんでしょうか…
歓喜に包まれているシーンは特に複雑な感情に苛まれ、喜びでもなく、怒りでもなく、悲しさでもない、悔しさとも違う、感情が迷子になり苦しかったのを覚えています。
歴史を知り、当時から語り継がれてきた今を知っているからこそ、ふとした瞬間に涙が溢れてきたのも事実です。
さて、作品全体を通してはさすがクリストファーノーラン監督と言わんばかりの内容となっていました。
時間軸の使い方に加えて、モノクロとカラーでの表現もこれまた素晴らしい!
オッペンハイマー自身の物事の捉え方や脳の中を映像と音で表現しているシーンは見ものです。
そして、なんと言ってもとんでもなく豪華な俳優陣が繰り出す世界観にも釘付けでした。
個人的には、アインシュタインの演出がとても素晴らしく、好きでした。彼もまた天才と言われ、多くの苦悩を乗り越えてきた“先輩”としての立場を絶妙に描いており、その背中が物語るメッセージを強く感じました。
素晴らしい作品との出会いに感謝です。
そして、決して忘れてはならない歴史があることを今一度実感できた充実した時間でした。