Boss2054

オッペンハイマーのBoss2054のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.8
多分、今の自分より、大きな作品、丁度良い作品、小さな作品ト云うのがあって、
この作品は今の自分よりやや大きな作品なので、
咀嚼するのにちょっと時間が掛かりましたね。
(「砂の惑星2」もそうでしたけどね)
アカデミー賞、作品、監督、主演男優、助演男優、撮影、編集、作曲を受賞してますけど、
一度観て、腑に落ちるのは、
主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、作曲賞くらいですね。
作品、監督、編集賞まで腑に落とすには、
もう何度か観る必要がありそうです。

お話は世間で云うほど難解ではない様に思えました。
要は、主人公、オッペンハイマーのマンハッタン計画の実験成功までの前半トその後。
前半は、トリニティ実験が成功するかどうかのスリルとサスペンスとミステリー。
後半は、ルイス・ストローズの罠に掛かったオッペンハイマーがソ連のスパイとして有罪になるか無罪になるかのスリルとサスペンスとミステリー。
前半、後半ともに別種の面白さを堪能出来ます。
前半はどちらかと云うと今までのクリストファー・ノーランの得意分野。
後半は、新境地。
ト云うところですかね。

伝記映画ト云うコトであれば、
初期の伝記映画が主人公の功績を褒め称える作風だったのに対し、
昨今の伝記映画は、主人公の人間性、善も悪も、
例えば、「マエストロ/その音楽と愛」のバーンスタインの様に、
だったのが、
この作品では、プラス、主人公の閃きや思いまでもを映像化してしまうト云う新しい領域に入ったように思いました。

例えば、昔、マンガで、キャラクターが閃いた時に、電球💡がパッと点いたりする表現があったじゃないですか。
あの表現の新ヴァージョンを主人公オッペンハイマーの心情表現として、CGIでなく、実写で表現しているンですよね‼︎
このチャレンジ精神には感動しましたね❣️
斬新極まりないです♪

きっとその斬新さが多くのアカデミー賞を受賞した理由だとも思うのですが、
ホント、クリストファー・ノーランと云う監督さんは凄い人です♪

後半のドラマパートも好きです。
「アマデウス」に例えられていますが、
ワタシ的には、シェイクスピアの「オセロー」に近いイメージでしたね。
ロバート・ダウニー・Jr演じるルイス・ストローズと云う人物が、
イアーゴに思えて仕方ありませんでした。
能力の限界を感じて、権力を振りかざして、自分より才能がある、
大抵そう云う人は世間知らずなのですが、
まあ、オセローもオッペンハイマーも実に世間知らずなのですが、
潰しに掛かる俗物の代表格の様な人物です。
このロバート・ダウニー・Jrの芝居はホント凄まじかったですね。
とてももとアイアンマンとは思えませんでしたヨ⁉︎

あとは音楽もホント素晴らしかったし、
効果音も素晴らしかったト思います。
まさに映画館で観る、
ト云うか、体験する映画ですよね。

とにかく、この乗りで、得意のSF作品に戻って来て欲しいと思います❣️
ト、まあ、一度目の感想はこんな感じですかね。
また、何度も観たら印象が変わるのかも知れませんが、
ともかく、映画館で観た方が良いト云うのは絶対のオススメです♪
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