まず始めにこの映画が日本で観られるように奔走した全ての映画人を賞賛したい。
現代日本において、ある意味で敗戦国としての意識は希薄であるが、それは欧米化されるに足る歴史が語っており、とりわけ原子爆弾の存在はその一端を担い、オッペンハイマーの名は今作に至らずとも周知のものであった。気鋭どころか、現代映画における最重要人物の最新作が観れないかも、、というムードだった背景にはあまりにも多面的な要素があったと想像に容易い。
今作の根底にある右とか左とかじゃなくて、人類史から見て戦争という大きな過ちを二度と繰り返さないためのテーマを見た。中盤あたりどっちにも偏らないようにしている自分でもショッキングな部分は確かにあった。だけどそれを、蓋をするわけではなく、認めた上での進歩と調和を、繰り返しになるが右でも左でもなく歩むべきであると言える。この作品から受け取ったメッセージを大事に生きていきたい。
内容はその全てが凝縮されたものであり、大変感動しました。
