このレビューはネタバレを含みます
「我は死なり、世界の破壊者なり。」
これは、オッペンハイマー自身の物語であり、原爆の被災者に焦点を当てた映画では無いことを念頭に置いて見るべき映画であると感じた。
オッペンハイマーの人生を言葉と回想で語る一種のドキュメンタリーのような展開の映画で、私はとても好きな映画。
一瞬の栄光から後悔、そして没落まで、壮絶な人生だったなと。
プロメテウスが人間に火を与えたことが本当に罰せられるべきことだったのか?罰せられるは人間であるべきではなかったのか?
結局、研究の成果を活かすも殺すも全て人間次第だということを戦争の無情さ、異常さと共に感じさせられた。
トリニティ事件が圧倒的クライマックスだっただけに、その後は少し物足りなく感じた。ただ、オッペンハイマーの人生も同じようにクライマックスは一瞬で、あとはただただ後悔に苛まれ、栄光も失い、つまらない人生だったのかと考えるとあの間延び感はすごくよく表現されてるように感じる。
クリストファーノーラン監督が生み出す作品にこれからも大いに期待したい。