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オッペンハイマーのひぐちのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
昨年世界中で大ヒットし、アカデミー作品賞他諸々受賞、そもそもノーランの最新作の時点で大注目作。題材が題材なだけに日本ではかなり公開が遅れましたが、とにかく劇場で観られてよかったです。どういう意見があれ、良し悪しは観た個人が判断することなので。

今作も時間軸がだいぶごちゃごちゃに描かれているので、見始めた時は少しわかりづらかったですが、全体を通すと割とシンプルでした。(TENETよりは100倍わかりやすい!)

前半の大筋は原爆ができるまで。後半はその後ソ連のスパイ疑惑をかけられ追い詰められるオッペンハイマー個人の物語。

キリアン・マーフィー、ロバート・ダウニー・Jr、エミリー・ブラントはもちろん凄いのですが、何気に俳優陣の中ではフローレンス・ピューが一番凄まじかったです。聴聞会のあのシーン怖かったぁー。

正直、映画を観ている間ずっと居心地の悪さは感じる作品でした。原爆をどこに落とすかの会議、実験成功に無邪気に喜ぶ人々、トルーマンの態度。悔しいやら哀しいやら。よくここから今に至るまで、人類は滅びないでこれたなと思います。

ただ、マーベルとかですごく雑に原爆のシーンが使われたりするのを観てきたので、ここまで反戦的なメッセージも込みで真剣に撮られてる方がまだ真面目に観ようと思えます。

訳あってグランドシネマサンシャインに行ったのに普通のスクリーンで鑑賞したのですが、正直この映画をあれ以上の迫力と音量で観たいとは全く思わないので、IMAX GTじゃなくてむしろ良かったです...。
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