アノン

オッペンハイマーのアノンのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7
膨大なセリフ量(しかもバカでは分からん〇〇力学とかの知識系)とこれ以上に無いくらいパンパンの登場人物たちと時間軸が飛ぶ構成。予習してこなかった素人にはやはり甘くなかったノーラン節炸裂の3時間で、正直"今"見てるこのシーンを理解しようとすることにやっとで、字幕を追いながらだと(セリフ量が膨大で難しいので)俳優陣の表情や視線にフォーカス出来ないシーンがあるくらい頭フル回転で鑑賞した。

結局ただ観ただけではこの小さなキャパの脳では理解しきれなかったため、解説を読んで昇天しました。これからの方は予習されることをオススメします。

日本での公開をもう随分前から待ち望んでいたキリアン大本命の身からすると、ノーラン作キリアン主演の大作を映画館でリアルタイムで鑑賞出来たことに意味がある。日本での公開自体が危ぶまれていた日本人にとってはデリケートなテーマではあるが、全編を通してオッペンハイマーの半生について描かれていて決して広島や長崎を描かなかったノーランは凄いなと思った(批判もあるらしいが)。日本にフォーカス当てると3時間ではまとまらないとか物語がブレるとか制作においての懸念点からだろうけど、人物に全フリした潔さが、よりオッペンハイマーの中身を、彼を知ろうと思えた。

そして正直日本人としては結構キツいシーンもあったけど作品を通して史実を知るキッカケが生まれたなと思う。

あと小さな息遣いの音から壮大な音楽まで、演出の緩急が素晴らし過ぎて、それこそ「心臓に悪い。byオッペンハイマー」

俳優陣も豪華過ぎて頭抱えるレベル。大統領…え?!となること間違いなし。そしてキリアン本当にアカデミー主演男優賞おめでとう。ノーラン作品を長く脇から支えてきた貴方の名前がアカデミー賞で呼ばれた瞬間涙出ました…おめでとう大好き。
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