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オッペンハイマーのENDOのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
科学者の前で我々はその恩恵を求め跪く。そしてその技術はあっという間に敷衍して連鎖する。その閃きを視覚化する手際、例えばグラスにビー玉が敷き詰められるとそれは核燃料のメタファーとなる。思考が動きに直結することが映画であるなら、まさに映画。完全なる時間の隔たりは取り返しがつかないけれど、映画であれば過去の反復として再現できる。どこまでも恣意的で支配的な(仮に地獄が現出するとしても)映像の魅力に抗えない人間の性。この不快な快楽を全面に押し出すノーランはやはり懐疑の時代を生きる我々に寄り添う。
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