SaraYoneda

オッペンハイマーのSaraYonedaのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.2
待ちに待ったこの作品を完璧に堪能するため、YouTubeで量子力学まで予習するも、ノーラン作品に付け焼き刃の知識は大して意味がなく。鑑賞後に何度も咀嚼し反芻して、キャラクターの相関関係を答え合わせしながら、じわじわと面白さを味わうものだなと。
率直な感想は、科学者と政治家には異なる素質が求められ、別のベクトルの生き物なんだということ。利用する側と、利用される側の構図。オッペンハイマーの根底にあるのは科学者としての純粋な探究心で、クリエイターの欲望のまま研究を進めていくが、その才能が戦争に利用されたと気づいた頃には時既に遅し。原爆完成後は呆気なく生みの親から離されて、投下の結果さえ知らせてもらえない。多分、私自身も周りが見えずに突っ走って利用される側の人間だから、そんな現実を突きつけられ苦悩する彼に感情移入しながら、切ない気持ちになりました(笑)
キリアンマーフィー演じるオッペンハイマーの、子供のように無垢でキラキラした瞳が印象的。
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