3時間という長時間、ズシンズシンと圧縮された重力に押し潰されるような緊張感が漂う重厚な作品で、流石ノーランという感想。
原爆を生んだオッペンハイマーの話という事ばかりが取り上げられているが、映画はロバート・ダウニー・Jr扮するストローズの物語でもあり、その2軸のストーリーがそれぞれ時代を行ったり来たりして描かれるので、とにかくついていくのに忙しいし、当時のアメリカの社会情勢を知らないと、今なんの話をしてるのか分からなくなる事もしばしばあった。
そんな非常に難しい作品で、被爆国である日本人でなくても考えさせられる事は多分にあるが、原爆が無かった時代に戻ることは出来ない事実から、私たちは決して逃れられない。