てん

オッペンハイマーのてんのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.8
公開2週目の土曜朝イチにIMAXレーザーGTで鑑賞。

IMAX推奨なので、アクション的なものもあるのかと思ったらほぼほぼ会話劇だったのも意外でした。(オッペンハイマーの話なんだから映画の内容観ればそりゃあそうかって話なんですが。)

あと、割と前目の席を確保してしまったがので、字幕を追ってると役者の顔が観れなかったり、意味を咀嚼する前に話が進んでしまったりと、池袋グラシネで見る時は作品によって席選びも大事だなぁと実感。


マンハッタン計画・オッペンハイマーの聴聞会・ストロースの公聴会の3本が大きな軸であり、場面も行ったり来たりするし、特に冒頭は切替の早さについていけないところもありましたが、観終わってからも考えさせられる構造にしたのは、作品のテーマ的にも良かった所かと思います。

モヤっとする所もあったので、個人的にも観終わった後に、見た人の話を聞いたりして解像度がだいぶ上がりましたし。

正直、ストロースが出てくるシーンは、オッペンハイマーの話から視点をズラされるので、何で入れたのかなぁとさえ思いましたが、聴聞会がなぜ開かれたかということと、聴聞会終盤でのあの言葉を言わせるためには必要不可欠ですもんね…なんて思ったり。

オッペンハイマーとは、どんな人だったのかという話でしたが、自分の中に核となるものがない薄っぺらい人だったのだなぁというのが個人的な感想。

米国が原爆を落としてから苦悩し後悔しているシーンが続きますが、"ドイツにも落としたかった"と言っているシーンもあったり、そもそも聴聞会で思い出しながらの回想なので、本当か嘘かもよくわからないですけどね。

今作の中で、誰しもが強く印象に残ったであろう原爆の最終実験であるトリニティ実験のシーン。
あのまま雨で実験がされなければ…と思ってもしまうが、原子爆弾が出来てしまうのを知っているのがまたもどかしく、爆弾の威力の凄まじさに恐怖を覚えたし、実験に成功して歓喜している姿に1ミリも感情が寄り添えない体感は初めてだったかもしれない。

あと、小屋の中で、"1時間58分後にわかる"とオッペンハイマーが言ってたけど、上映時間と同じ時間だったのかなぁ。
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