くらこう

オッペンハイマーのくらこうのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.6

これは日本人こそ見た方がいい映画。
オッペンハイマー。核爆弾の父。

日本が唯一の被爆国であり、敗戦国である。その象徴となる核爆弾、リトルボーイ、ファットマンを作り上げた男の反省を描いた。

きっと彼は国からの依頼や戦争という背景がなければ核兵器なんか作らずに
自分の部屋で自分の好きな実験だけを続けていた、好きな分野で論文を書き続けていたんだろう。

それが天才が故に目をつけられ、作りたくもない、しかし作らないといけない、そして作らないわけない核爆弾を作り上げた。

日本人の視点から見るとそれは確かに悪名高い行為である。でも、オッペンハイマーが苦しんでいてくれてよかった。

核を落としたことを、爆弾が成功したことを喜んでおらず、ずっとずっと苦しんでくれた。きっと死ぬまで苦しんでくれたんだろう。

それが嬉しいよ。

裁判でも戦いたいわけじゃない。自分のやりたいこと望んだことをしたわけでもないのに問い詰められ、責められ、自分の地位を追いやられる。

何のために誰のために戦っているのだろうと思う。

オッペンハイマー。
きだいの天才が生み出した最悪の兵器の重さを彼自身が1番深く味わっていたんだな。

NHKのドキュメンタリーを見ました。
映画はそのまま作り上げたんだな、と。

なかなか手放しには褒め称えにくい作品だけど僕は好きです。
そしてたくさんの人に見てほしい。