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オッペンハイマーのchikoのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
とても重いテーマを冷静に描いていて、ドラマティックに感情を揺さぶられるというよりは、観る人に解釈が委ねられるような感覚があった。ロスアラモスで実験が成功して喜ぶ研究者たちの姿にも、違和感というよりも、第2次世界大戦中という異常時に於いて3年間にわたって研究してきたプロジェクトが成功したら、そうなるよなぁ…と複雑な気持ち。あと、人の「人生」を評価する際に、人柄や人間性と、才能や功績は足し引きできるのかな?ということもぼんやり考えた。人間性と才能、本来は足し引きできないパラメータなはずだけど、「天才ならある程度の破天荒(不誠実)は仕方ないのかも」と感じるところも多々あり…オッペンハイマーは、元恋人を追い詰めたり不倫を繰り返したり、ストローズの出自をばかにするような表現をしたりと、人柄的にはおおお…というところもありつつ、そんな人間臭さによってむしろ整合性がとれているような気もする。
ノーラン監督作品の中ではわかりやすく、初見でも置いていかれることがなかったので良かった...!(TENETを予習なしで観た時は途中で絶望しました...)
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