ゾロ

オッペンハイマーのゾロのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.5
想定していた内容と違った

実は、オッペンハイマーにフィーチャーした
自伝映画だと思っていたので、彼の懺悔や後悔
苦悩する姿を見せられたら、どうしよう?
感情に困るし、善悪どちらに描かれても
スッキリはしないだろうし、嫌悪感が出ても
怒りのぶつけどころも無いしな…と思ってた

反戦映画ではあるが、糾弾が目的では無い…
もっと、根本的なメッセージを感じた

ノーラン監督特有の時系列に魔法をかけた
複雑な物語ではないが、オッペンハイマーが
過去を語りながら展開する簡単な自伝でも無い

三つの物語で描かれている構造なので
人物把握と並行すると理解まで時間かかる?
公式サイトで登場人物を把握後鑑賞がお勧め

オッペンハイマーが閉ざされた部屋で
委員会と称される非公式な人たちに
詰問されている(カラー)

スーツ姿のストローズが開かれた場で
公式な人達によって審問されている(モノクロ)

オッペンハイマーの自伝
原爆作れる?→マンハッタン計画→戦後


オッペンハイマーは戦争や共産主義、スパイに
興味が無かっただけで、決して無能では無い
哲学にも通じた科学者であったという描写

アインシュタインが出てきて
知り合いだったんだ…と驚きつつ
卑下する口振りから、傲慢な人と思ったが…

アインシュタイン、マルクス、フロイト
彼等の思想も精通していたのだろう

マルクスの資本論は読んだと言っていたし
「人はなぜ戦争をするのか」
アインシュタインとフロイトという
2人の天才の「戦争」について話した事も
知っていたんじゃ無いかな?

前半は、マッドサイエンティストでは無く
知的な愛国心に満ち溢れた有能な科学者

後半は、国民的英雄としてでは無く
技術、知能は認めても意見は要らない
使える駒で無いなら不要で主張も邪魔
避難の矛先にも出来るし、自己肯定にも使える
都合良く使われる部品としての科学者

オッペンハイマー自身の苦悩では無く、
戦後に、道化師のように扱われるのは
彼自身も戦争被害者という意味なのか?

トルーマン大統領の
お前は怨まれない、決断したのは俺だ!
あんな弱虫は二度と会いたくない!

生活困窮し政治の混乱時は
強いリーダーが求められるんだろうなーと

ストローズが暗躍しない不承認の一票は
ジョン・F・ケネディだっり

アメリカの歴史と英雄像が垣間見れる

そして、見事なラストだね
疑心暗鬼に陥った話よりもずっと未来を
全てを見通していた【アインシュタイン】

相対性理論ですか!
ゾロ

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