ツキツキ

オッペンハイマーのツキツキのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.8
オッペンハイマーの想像力、先見性を映像化している部分の解像度が兎に角高い。この映画にキューブリックを感じたのは映画の文法よりも映像としての強度を優先させているように感じたところにある。
この作品はアカデミー賞を取るべきである(実際2023年度最多受賞を成し遂げた)。正確にはアメリカのアカデミー賞を取るべきである。素晴らしい傑作であるからではなくこの映画がアメリカ人のフロンティアスピリッツが払うべき代償を強く示唆しているからである。
ノーラン監督はアメリカで唯一の’’大衆を相手に超大作を撮る現役の映画作家’’である。その彼の一つの重要な通過点に今作はなった。しかし彼はまだゴールにはたどり着いていない。僕はそう断言できる。これほどの傑作を創って尚まだ上があるといえるのが彼の恐ろしいところである。

要するに想像力が世界に与える力。
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