オッペンハイマーの表情のアップが映される度にキリアン・マーフィの瞳に魅せられます。実際にオッペンハイマーのこだわりだったという服装も決まってる。
ダンケルクでもそうでしたけど、緊迫感のある音響がIMAXのスピーカーと併せて素晴らしい演出をしていました。
長い映画なのに編集とテンポのよさでそれを感じさせないのもさすが。メメントやテネットほどの難解さはなく、またインセプションやダンケルクで頂点を極めたラストのカタルシスに向けた収束はさすがといった作りだったと思います。
あとの見どころは出世や研究にギラギラしてる他の登場人物たちの中ですごく感じのいいジョシュ・ハートネット、軍服の似合う太ったマット・デイモン、絵画のようなフローレンス・ピューの裸体。
映画の題材に関する政治的な是非は特に議論しません。我々日本人が広島長崎の被害に感じることと、アメリカ人がコミュニスト狩りに感じることで温度差があるのは当然ですし。できれば多少の予習があれば簡単に入り込んでいけるプロットじゃないかなと。
クリストファー・ノーランのことだからきっとトリニティ実験の核爆発なんかも実際にやってるんでしょう?