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オッペンハイマーのmuのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

TOHOのプレミアムシアターで通常版鑑賞。やはり大きなスクリーンで映画館で観るのが良い作品。

カラーと白黒の意味もバラバラ時系列も、他のノーラン作品に比べれば全然難しくなかった(むしろ登場人物が多いので、相関図把握までの方が難しい)。

トリニティ実験のカウントダウンが始まると、恐怖で思わず泣きそうに…ただ爆発してみると、本当にあんなものだったのか?もっと恐ろしいものでは?と思ってしまう画。終戦後の描写も甘いものに見える。(ちなみに、衝撃波による音が観察者の元に届くまでに実際40秒かかったそう。劇中でも爆発音は閃光からだいぶ後に聞こえたが、あれは40秒だったんだろうか…)
さらに、前半あれだけオッペンハイマー視点の追体験として描いておきながら、後半1/3はストローズ目線で話が進むので、人間の小ささと追体験の喪失で少し残念だった。

ただ、題材が難しいので言語化は難しいが個人的には観てよかった。原爆の恐ろしさは日本人なら皆知るところだが、平和ボケした今の日本で、オッペンハイマーが原爆の父で、なぜ原爆が歴史の中で作られることになったか、を知る日本人は同じだけいないのでは。また現在も核は脅威であると同時に、そのバランスに生かされている部分もある。ノーランはこれを観ていろいろ議論してほしいと話していたが、そのきっかけになったのでは。
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