葵

オッペンハイマーの葵のネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

音と音楽が凄すぎる
数式は楽譜だ、みたいに言われたあとからの人生が開かれた感、やばすぎる
そこからずっと、音楽が単なる効果を超えて、言語も超える。

教科書に載ってる人達がたくさんでてくる。この人ってこの時代だったの?!この考え方が生まれたのってこの時代だったの?!みたいな

良すぎる。
映像ももちろんすごい。カラーと白黒を混ぜるのやば
夜の表現がすごい

教育によりベースとなっている自分の感覚と、この映画との狭間で胸が張り裂けそうになった。

3時間も耐えられるか心配だったし、実在の人物を扱っているというところに不安があったけど、全くの杞憂。ずっと引き込まれる。

単に時系列で映像にするのではない構成もすごい

爆発の音を原爆のときだけああいう風に表現するの凄すぎる

オッペンハイマーが精神的に不安定だった時期に抱えていた漠然とした潜在的なものがどんどん形になって、原爆という形で爆発し、顕在化する。そこでひとつの区切りとなるが、今度は現実と実感の世界に身を置く感じ。うまく言葉にできない。
精神的に不安定だった時期のしとしととした雨と原爆の実験の前の激しい雨が印象的

ジュラシックパークで、「できるかどうかではなく、すべきかどうか」みたいなセリフがあったような気がする。原爆を作った時は、「できるしすべき」だったのが、水爆は、「できるがすべきではない」へとオッペンハイマーの意識が変わっていく。その倫理観を共有することの難しさ。

敵に対して、「日本」「ドイツ」など端的に表す。科学者の名前は他国であっても知っているし認めている。
京都は候補から外そうと言ったとき、「新婚旅行で行った。」「残すべき文化がある。」みたいに言っていた。
相手を知り、自分の興味関心のある領域に他人の居場所をつくる。「日本」などというように1単語では表せない部分を増やすのが大切なのかもしれない。

字幕が無くてもある程度英語でわかるようになりたい。
葵