じーく

オッペンハイマーのじーくのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

最初に認識しとくべきことは、
原爆によって日本がどんな目にあったかを描いている作品ではない、ということ。

だからといって、原爆によって生じた被害から目を背けている訳ではないということ。


物理学者であるおっぴーは、政治的意図もある程度理解した上で、ドイツに先を越されてアメリカ(世界)が破壊されることにならないように、原爆研究を進めた。
もちろんそこには科学者としての好奇心もあったとおもう。

そんなおっぴーの半生を、原爆作成過程、広島長崎・そして冷戦、おっぴーの人間関係などを含め、クリストファーノーランが丁寧に描いた作品だと、私は解釈しました。

日本人としてこの作品を見た時に、原爆実験に成功して喜んでる姿や、広島長崎に壊滅的被害をもたらした事に歓喜しているアメリカ人(ソ連)に対して、怒りのような感情も湧きましたが、原爆を作ったおっぴー他科学者達に怒りは覚えませんでした。

作中でトルーマン自身も言っていたが、原爆を落とすという判断を下した者にこそ、怒りを感じます。
ただ、アメリカ側にも投下という判断を下すだけの理由があったことは、理解します。
もちろん納得はしないし、二度と起こすべきではないですが。

この作品は、そういった大量破壊兵器の製作、使用の是非に関して、おっぴーを通して今一度人々に考える機会を与えていると思う。

色んな意見があると思うけど、そういった意見がたくさん出て、国家間や人間同士だけじゃなく、生きている者全てにより良い未来を築くきっかけになればいいなと思います。


ひとつだけ理解できないのは、この作品を見てたら、バーベンハイマーというネットミーム作って盛り上がることはできないと思う。

たぶん、盛り上がってる人らは観てないよね。
観た上で揶揄してるんだとしたら、ちょっとだけこの世界の将来が心配です。
じーく

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