おもろかった。
抑止力としての核が普通にある時代とそれ以前で切り替わる瞬間に、その最前線で歴史を動かした一人の科学者の苦悩を描いた映画。
現代物理学を作ってきた名だたる物理学者や化学者達が、戦争の時代を生きた社会の一員として描かれるのは、ありそうでない、想像できない体験だった。
オッペンハイマーの苦悩を断片的にいろんな時間軸で描いてるので一見分かりづらいかもしれないけど、オッペンハイマーから視点、あるいはオッペンハイマーの話を俯瞰して話すような展開が主なので、そこまで混乱はしなかった。
常に緊張感が走った状態で話が展開するので、気を緩めてみれるシーンがなかった。いったん、ふーむって息をつきたいぐらい。
役者みんなホント演技良くてすごかったけど、キリアン・マーフィー半端ない…。若く口下手でナイーブなところ、科学者としての成功、苦悩と傲慢、社会を生きる一人の人間を完璧に演じてたと思う。
ロバートダウニージュニアもはまってた。私が知らない一面だった。
撮影も新しさが感じられるのでそこも良かった。
