ナンデヤネン

オッペンハイマーのナンデヤネンのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7
3時間の大作。作品によっては時間の長さを感じさせないものもあるが、これは長く感じた。オッペンハイマーがロスアラモスに赴任するまでの尺は編集で短くできたんじゃない?前半部分は終始うとうとしてしまって、多分大事な部分を見逃しているだろう。勿体ないことしたわ。ようやく目が冴えてきたのは、トリニティ実験のシーンからだった。
オッペンハイマーとストローズは水爆実験の是非をめぐって対立したと言われているが、それ以上に公聴会でストローズがオッペンハイマーから辱めを受けたことが大きかったのではないか。政策の違いというよりストローズの私怨が強かったかも知れない。そんな役を演じるロバート・ダウニー・Jr.の芝居を見れば、彼がアカデミー助演男優賞を獲ったのも納得である。彼の芝居はキリアン・マーフィーを喰っていたいっても過言ではない。
ノーランの作品といえば、豪華キャストを揃えているものが少なくない。本作品もしかり、ほんの数シーンだけの出演に主演級俳優を贅沢に使っている。彼らに払うギャラだけで巨額の製作費を使っているだろう。個人的に目を引いたのは、ジョシュ・ハートネット、マシュー・モディーン、それにトム・コンティである。ハートネットとモディーンはともに若い時は主役を張ってて現在は脇役が多いが、ハートネットはちょっとふっくら、ダンディになっていたし、モディーンはおじいちゃんになったが白髪で良い歳の取り方をしていた。そしてエンドロールで気づいたトム・コンティの名前。彼の出演作といえばなんと言っても「戦場のメリークリスマス」。一体どこにいた?公式サイトで確認したら、なんとアインシュタインを演じていたのが彼だった。全然分からなかった。へぇ〜、すごいなと。さすが名優である。
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