予習はできるだけしたくなかったのでなんとなくの知識だけで鑑賞。3時間、心して臨んだけれど後半はずっとスクリーンに引きつけられていて、あっという間だった。が、頭と心の疲労はとても3時間の映画を集中して観ただけのそれとは思えないほど。
前情報最低限でも思ったより混乱せず楽しむことができた。ラストはこれ以上ない締め方だったのではないかな、個人的にとても好きで、爽快感ありながら見届けられた印象。
時系列が複雑に絡み合いながら展開されるという情報だけはあったので整理しながら見進める序盤、そしてどんどん原爆が形になって落とされてその後……になっていくにつれて見えていく人間の本質的な部分、いろんなことを考えながらとにかくただただ見入るしかできなかった。
何より心揺さぶられたのは音響。爆発音やそれに近い音がするタイミングが絶妙だった。3時間というのもあるけれど、これがあるから映画館じゃないと満足に観きることはできなかったと思う。
原爆投下後のアメリカの様子、スクリーンの向こうとこちら側、絶対に温度感が違っている感じがした。すごいな、こんな気持ちになるんだな。今まで教科書を見ているだけでは感じられなかった、もっと言うと人生で味わったことのない気持ちを味わわされた。敗北感でもなく、恥辱でもなく、怒りでもない。ただただ分かり合えない気持ちが、壁というには高すぎる何かがあった。
完全に内容を理解したわけではないけれど、2回目を観る勇気はまだない。観られてよかったとは思う、そんな感覚でした。
観終わってしばらくは何も話せず、ため息しかつけなかった。
